サドルバック
とっておきのお気に入りの店を紹介します。
本当はあまり有名になっていつも満員で入れなくなると困るのですが、このブログを読んで頂いている方への御礼のための大サービスです。
ちょっと事情があって東伊豆によく行きます。目的地があまり交通の便いいところではないので、車の運転が好きではない私にしては珍しく必ず車で出かけます。
私の住む鎌倉からのルートは134号線、西湘バイパス、135号線とドライブコースとしては悪くありません。
湘南から伊豆にかけての地理に詳しくない方のために解説すると、鎌倉から平塚にかけての海岸線を通って大磯から小田原までの自動車専用道路に入り、小田原から伊豆半島の東側に回り込む海岸沿いの道路です。
この135号線の途中で根府川から真鶴の間を結ぶ山の中腹を走る道路に入ることが出来ます。
休日などは伊豆へドライブに向かう車で135号線が渋滞することがありますが、この山の道はまず渋滞することはありません。
この山の道の途中に、崖っぷちに建つ「サドルバック」というレストランがあります。
それほど大きなレストランではありませんが、崖の上に建ち、相模湾を見下ろす絶景のレストランです。
建物は南カリフォルニアやメキシコによくある家のような作りで、ドアを開けて入ると豚の置物が「ブーブー」と鳴いて迎えてくれます。
内装は木で手作りの椅子とテーブルがいくつかおいてあり、BGMはいつも落ち着いたジャズボーカルが流れています。
室内は特にどうと言うことはないのですが、凄いのはデッキのテーブルから眺める景色です。
眼下に東海道線がトンネルから出てきて海岸沿いを走るのが見えます。
私は特に鉄道ファンではありませんが、ファンの方にとってはたまらない眺めかと思います。
そして目の前に広がる相模湾の向こうに三浦半島が見え、空気の澄んだ日には房総半島も一望にできます。
このレストランのオーナーが飼っている馬が崖下でのんびりと歩いているのを見かけることもあります。
コーヒーを頼むと昔懐かしい喫茶店のモカの香りの高いコーヒーが若干大きめのソーサーに載って出されてきます。そのソーサーに小さな角砂糖とミルクと敷地内で採ったと思われる一輪の花が添えられています。
このデッキは風がよく通るので、真夏の酷暑の日でも涼しく、この店をよく知る人たちは天気のいい日は外のテーブルから埋めていきます。
簡単な食事もできるのですが、運転が好きではなくすぐに飽きてしまう私にとっては、コーヒーブレイクを取るのにちょうどいい中間地点にあるこのレストランはお気に入りです。
面白いことに、ここの閉店時間は日没時間となっています。東向きになっていることもあり、日没になると夕焼けも見えず、何も見えなくなるからだと思います。
冬でもデッキは北風がブロックされているので暖かく、テラス席で海を遥か眼下に眺めながらコーヒーを飲むという最高の贅沢が味わえます。
是非一度訪れてみてください。(船長から聞いたと言っても何も出てきません。念のため)